“シャンパンゴールド”ラメメダカ
“シャンパンゴールド”ラメメダカと呼ばれる、ラメ幹之系統の一品種である。
静岡県浜松市にある『猫飯(ねこまんま)』の池谷雄二氏が系統繁殖させているラメメダカの一つである。
この“シャンパンゴールド”ラメメダカ、2016年頃に岡山県美作市にある『静楽庵』血統の琥珀ラメ幹之を飼育、繁殖させていた人には、誰でも作ることが出来たかもしれないラメメダカなのである。
これは自分が繁殖させていた『静楽庵』血統の琥珀ラメ幹之から出ていたメダカである。「琥珀体色が薄いなぁ」と思っていたもので、同じ経験をされた方は少なくなかったはずである。自分は、この体色のメダカをハネていたのである。
同様に、池谷氏も『静楽庵』血統の琥珀ラメ幹之を繁殖、最初50匹ほどを繁殖させた中に5匹程度、この淡い体色のラメメダカを見つけたそうである。同様に緋色のものや白いものも出て来たそうだが、この「淡い体色のラメメダカ」を見て、「ヤバい!面白い!」と思って、これを種親にして繁殖させたメダカが、現在の“シャンパンゴールド”ラメメダカとなったのである。
そして、ここ最近の琥珀ラメ幹之からはこの体色のメダカがほとんど出てこなくなっているのは、それだけ琥珀ラメ幹之の固定度が高くなったのである。
この“シャンパンゴールド”ラメメダカ、体色が淡いだけでは魅力が半減するかもしれないのだが、ラメの光沢が琥珀ラメ幹之より広く、強く現れるのである。「このラメ鱗の光沢とゴールド体色を表現できるだろうか?」と考えたところが池谷氏の感覚なのである。この「ヤバい!面白い!」という第一印象を大切にされて、累代繁殖させたことで、一つの品種と言えるレベルにまで持ってこられたのである。
「メダカをよく見ること」、導入した新たなメダカを飼育、繁殖していれば、その系統とは異なる表現を見せる個体が出てくる。最近、人気の各品種は、固定度100%という品種はほとんどいないからである。
その中で、自分が気になる特徴を持ったメダカが複数出て来たなら、「こういったメダカが作れないだろうか?」と作るメダカの姿、色を描いて、それ同士で採卵してみることである。
「新品種を作りたい!」これは改良メダカを飼育している人にとっては、「できれば一つは作って見たい!」と思うことだろう。
異品種交配で時間をかけることも方法だし、こうした、突然、出て来たメダカの固定度を高めていくのも方法である。
改良メダカはまだまだ多くの可能性を秘めているのである。