“オロチ”プロジェクト” 11-2 オロチ×青ラメ幹之 F4
先月、神奈川県川崎市在住の中里良則氏が進めている、オロチ×青ラメ幹之の交配F4が一般にリリースされ、ブラックダイヤの品種名で広く知られるようになってきた。
この時、「このブログに掲載されたブラックダイヤが最高峰の個体で、リリースされたブラックダイヤはラメが少ない…」という話を耳にした。中里さんのメダカの撮影をする時には、もちろん、なるべく良い個体を選ばせて頂くのだが、ラメの多いもの、黒色の強いもの、ヒレに赤橙色が出ているものなど、バリエーションを持たせて選んでおり、決して最高峰の個体を撮影している訳ではない。
そういった噂が、たったひと目、メダカを見ただけで言われても…
これが2月に撮影したメス個体である。二ヶ月飼った姿は?
この個体である。
その右側がこの姿である。
オロチの黒さとラメの光沢は飼っているうちにどっちが体表に近いか?で表現が変化するのである。やはり自分の入手したメダカをいかに綺麗にしようと飼育するか?が大切なのである。
撮影に関しては、水槽で飼育しているメダカに上からGN20のストロボを2灯、前面斜め上からGN28のストロボを1灯発光させて撮影する。ラメと呼ばれるグアニン層の輝きとアイキャッチを出すためには、どうしてもこのストロボ撮影が必要で、メダカそのものの輪郭もはっきりと写せるのである。単純にスマホやデジカメでストロボ光なしで撮影しては、そもそも反射光が魅力のラメの美しさは写真に再現できないのである。
これが2月に撮影したオス個体である。
写真は左右逆面になってしまったが、青黒さがあった二ヶ月前より、赤黒さが強まっている。これはオロチの持つ黒さが青黒いもの、赤黒いものがあるためで、基調色の赤黒さが強まるため、ラメの反射光もやや鈍い色合いになってきている。
ブラックダイヤを購入する時には、もちろん、ラメの多い、出来上がった個体を誰もが望むのだろうが、その個体を見ただけで良し悪しを判断するのではなく、二ヶ月、三ヶ月…と飼うことで、個体毎の魅力を感じてもらえる品種だと思っている。
さて、このブラックダイヤの写真をブログで紹介した時に、光体形の個体を1個体紹介したのだが、その写真を見て、「ブラックダイヤは光体形のものが欲しい!」と言う人が少なくなかったとも聞いた。
光体形のペアである。中里さんは、「体形が悪い!」と多くをハネてしまわれ、この個体も「体が曲がっているよ」と言われたのだが、撮影用に頂いた個体である。
曲がってはいるのだが、やはり光体形のDaの遺伝子を確実に持っている個体はありがたいのである。この光体形はオロチ血統から受け継がれたものである。光体形は背面側に虹色素胞が普通体形より多いため、ラメが出やすいのだが、オロチの真っ黒さはやや薄まる。この辺も真っ黒を追求するか?ラメ光沢を追求するか?で選ぶ個体は変わってくることだろう。
オス個体
メス個体
こちら、ヒレが橙色を帯びる光体形のメスである。
この3匹に普通体形のブラックダイヤのペアを入れて5匹で産卵させてみる予定である。
3月にリリースされたブラックダイヤの普通体形からも光体形は出てくるだろう。まずはブラックダイヤの卵を数採りして、しっかりと育て上げることで、光体形に出会えるはずである。