氷の下のメダカ
普段それほど凍らないような地域でも強い寒波が来ると厚い氷に飼育容器が覆われることになる。
水が凍っているということは、当然、水温は0℃以下である。メダカの耐寒性は水温1℃程度とされており、水が凍るような状況は生死に関わる状況になる。水深の浅い容器では、強い寒波で厚い氷が張り、水面が氷に覆われていれば、その下の水が凍っていなくても水温は0℃近くに下がってしまいメダカにはダメージになる。氷漬けになってしまえば死んでしまうことにもなる。水深のある容器であれば、水面が凍っていても、深みにいればなんとか耐えられるという感じである。
水面が完全に凍ってしまうと、水中への酸素の溶け込みも阻害されてしまうので注意が必要である。それほど氷の厚さがないのであれば、日の光があたる午前中のうちに自然と溶けていくが、厚みのある氷が張っていると、溶けずに夜になり、気温が下がってさらに厚みを増してしまうこともなる。そのような天候が続くような時には、氷を割って取りだし、減った分の水を足すようにして対処するとよい。寒波が来るなどの天気予報を見たら、波板やスダレなどを使うなど風よけの蓋をすることで凍り付くことを防止することもできる。
凍った水面に目を凝らすと、水底にいるメダカが確認できる。水温が10℃を切る冬の時期には、メダカは新陳代謝を止め、ほとんど活動をしていないのだが、上から覗き込まれることに反応し、バタバタと暴れてしまうこともある。そうした動きはこの時期のメダカにとって大きな負担になるので注意したい。また、冬でも陽があたっていると水温が上がり、メダカ達が水面に泳ぎだしていることもある。そうした姿を見ると餌をあげたくなるが、この時期は陽が落ちてくると気温も急激に下がる。食べた餌が消化される前に水温が下がると、お腹に餌が残ったまま代謝が落ちてしまうことになり、消化不良など体調不良の原因になるので注意する。暖かな活動時期であれば、餌をもらえると寄ってくるメダカたちであるが、冬の時期はなるべくそっとしておいてやりたい。