ベランダでメダカ飼育
メダカの生産業者や専門販売店にお邪魔すると、ハウスだったり、多数の池を使っていたりと、その規模やメダカの数、新品種の作出など、驚かされることばかりである。
そうした供給側があると共に、メダカを楽しむ愛好家の方々もたくさんいらっしゃる。そんな方のところはお邪魔して、メダカ談義で盛り上がるのも楽しいものである。
この日お伺いした佐々木さんは、ベランダを使ってメダカ飼育を楽しまれている。
数多くの品種がいるメダカ。繁殖させれば子供用の容器も必要になり、自然と入れ物の数が増えていくものである。お庭やベランダなど、空いたスペースを見つけて容器を置くことは、メダカ愛好家なら、どなたも経験することだろう。佐々木さんもいろいろなサイズの容器を使ううちに、単管パイプを用いてしっかりとした台を作り、プラ舟を並べられていた。そしてベランダの桟に引っ掛けるようにしてプランターを設置するなど、いかに置き場所を有効利用して容器の数を増やすか工夫されていた。
他にもマメな性格がわかるような細かな工夫が見られた。
ベランダということもり、鳥予防のフタも全て手作り。軽く扱いやすい。また、プラ舟の枠の穴にはウールマットを挟み、雨が入っても溢れないようにされていた。
そして暑さ対策の日除けは必須。ベランダのため日当たりはよいが、最近の夏場の暑さはちょっと異常なため、支柱に沿ってヨシズが掛けられるように設置されていた。この支柱は、下段のフタを引っ掛けられるようにもなっていた。
こちらのビオトープ風
プラ舟に合わせた木枠を作って被せたものだが、少しの工作でなんとも雰囲気はよくなる。ベランダという限られたスペースでの飼育に、いろいろと参考になるものであった。
三色なども飼われていたが、気になったのは楊貴妃と幹之
どちらも最初に購入した個体を累代されており、5年ほど維持されている。しっかりとした選別がされていたようで、楊貴妃の色は濃く、幹之はフルボディになっていた。掛け合わせよりも、その品種のレベルアップを追求されており、お気に入りの品種、それもこの二種を大切にされているものであった。
メダカの楽しみ方は人それぞれ。商売でない愛好家だからこそ、数よりも質にこだわり、容器や飼育場にも工夫を凝らす。小型容器でも楽しめるのがメダカである。そんな飼育場を見せていただき、昔ながらの品種を見ながらのメダカ談義は楽しいものであった。