『うなとろふぁーむ』で見せて頂いたメダカたち
先週の土曜日、埼玉県富士見市にある『うなとろふぁーむ』さんでメダカの撮影をさせて頂いた。
『うなとろふぁーむ』さんへ伺うのは、今回で二度目、一度目はInter Petで来日されていた中国、台湾からのアクア業界関係者がメダカの養殖、販売風景を見たいというので、急遽、『うなとろふぁーむ』の山崎さんに承諾頂いて、訪問させて頂いた。
『メダカ百華』での撮影は、それまで東山が担当していたのだが、初めて訪れた『うなとろふぁーむ』には興味深い品種が多数いたため、今回は「一人より二人」、人海戦術(ほど多くはないが)で手分けしてメダカを撮影させていただくことにした。
自分がまず、撮りたかったのは、この“レッドゴールド”の呼称が付けられたメダカであった。山崎さんが6年前から飼われているメダカだそうで、「透明鱗で黄金の三色のメダカから出てきたもの」と言われる。「黄金三色?」は自分の知らない呼称なのだが、この“レッドゴールド”と名付けられたメダカの独特な雰囲気に惹かれた。
こちら、非透明鱗の紅白ラメである。「夜桜から紅白が出てきたもの」だそうで、ラメとともに僅かだが体外光を見せるメダカで、今後、“小江戸紅白”という呼称にしたいと山崎さんは言われていた。
こちら、『うなとろふぁーむ』の琥珀ラメである。平成28年に第49回埼玉県養殖漁業協同組合で山崎さんは総合優勝されたのだが、その時のメダカが琥珀ラメだったそうで、この品種への思い入れは強くて当然である。
その品質の良さは、オスのラメの見事さから伝わってきた。
メスしか出てこないと言われていた琥珀ラメから出てくるグレイ体色のもの。このグレイ体色のものでも稀にオスが出てくるようで、この雌雄で採卵すると全てこの体色になることを『栗原養魚場』の栗原さんからお聞きした。
こちらはアルビノラメ。いそうでいないメダカである。
“群青” こちらも、愛媛県の『伊豫めだか』の森さん作出の品種だが、見る機会が少ないメダカである。山崎さんは大切に累代繁殖されておられた。
緑光 『メダカ百華第5号』で詳細を掲載させて頂いた緑光。実は『メダカ百華第7号』で再度、2019年バージョンの緑光のバリエーションをご覧頂こうと思っている。山崎さんも好みのタイプで緑光を作っておられた。
“雲小錦” 「このハウスネームは読みにくい(笑)」のだが、雲州三色と、山崎さんオリジナルの非透明鱗三色の“小江戸錦”を交配されて進めているメダカである。今後が楽しみである。
“閃光”である。山崎さんが三色ラメ幹之から派生したものを系統立てて累代繁殖されている体外光を持ったメダカに作られたもの。渋い感じを受けるが、体外光はしっかりと表現されている。
“火輪”である。こちらも山崎さんが三色ラメ幹之から派生したものを系統立てたもの。煌のようでもあるが、オーロラ血統を持っているので、このように似た表現になっても不思議ではない。
これは、一点物とも言えるだろうか…三色ラメ幹之体外光として管理されている(管理名は三色SP)ものの中にいた一匹である。山崎さんに伺ったところ、これは新たに導入された魚だそうで、九州の『TJめだか』さんから送られてきたものだそうだ。西九州めだか友好会の『TJめだか』さん、個人的にもお世話になった方で、今度、訪問させて頂こうと思っていたので、さらにその気持ちが高まった。『TJめだか』さん、待っててね!
こちらは、管理名“?”として累代繁殖されていたもの。黒幹之から出てきた斑を持つものから体外光を乗せようと山崎さんが繁殖されていたもの。これも面白そうである。
一通り、メダカを見せて頂いたが、山崎さんの良さは、「手にしたメダカを大切にされる」ところだと感じた。新しいメダカに入れ替えることは簡単であるが、一度、飼育して飼い始めたメダカは、累代繁殖しながら、派生してくる違った表現のものをそれぞれ系統立てていこうとされるところである。
“レッドゴールド”、“群青”といった系統を維持されているものから、“?”、“三色SP”といった新たなメダカに仕上げようとされるものまで、3棟のハウスでしっかりと管理されておられたのである。
これからの『うなとろふぁーむ』山崎さんの作るメダカを楽しみにしていたい。