静楽庵の進歩し続けるラメメダカ各品種
今回のメダカ取材旅行は、先に紹介させて頂いた、『雲州めだか』さんと岡山県美作市にある、ラメメダカで、確固たる地位を築かれた『静楽庵』さんがメインであった。
ちょうど一年前に初めて『静楽庵』さんのメダカを見せて頂いたのだが、自分の出生地にほど近く、自分にとっては「故郷に帰る」感覚で、『静楽庵』さんに行けるのである。
実は、今回、5/3の午後と5/4の午後3時過ぎの二回訪問させて頂いた。
5/4から今日まで『静楽庵』さんではイベントが開催されるため、前日の5/3は休業日!それにも関わらず、撮影させて頂いてしまった。
イベントで売れてしまうことが予想される魚を先に撮影させて頂こうっていう魂胆であった(苦笑)
まず、驚いたのが、
この白ブチラメ幹之と赤ブチラメ幹之、特にブチの入れ方が進んでいたことであった。
この2品種は青ラメ、白ラメ以後、黒ラメ幹之と並び、ラメメダカの初期に見事なラメで多くの人を楽しませてくれた品種で、最近は最新品種への注目が集まりがちであるが、魅力的であった。
こちらも黒ラメ幹之と並び、『静楽庵』さんのラメメダカを一躍有名にした人気品種の琥珀ラメ幹之。これもこのクラスが普通に販売されるまでラメの並び、数が進められていたのである。
初日は、この辺を撮影させて頂き、5/3の宿泊先である米子へと向かった。
5/4、繁殖用に使われている種親も含めて再び、撮影させて頂いた。
大人気の紅白ラメ幹之である。需要に追いつかないそうだが、この姿なら当然であろう。
こちらは紅白ダルマラメ幹之!
新系統の黒ラメ黄幹之メダカである。渋い色合い!玄人好みの品種と言えるだろう。
黒ラメとオーロラ黄ラメの交配から始められた系統で、「頭部に赤色を入れたい」という狙いでこれからも改良が進められるそうである。
こちらはクリアブラウンラメ幹之メダカ。この品種もしっかりとラメの輝きを増加する方向が成就していた。
この個体、かなりな問題作である。三色ラメ幹之は大人気の品種であるが、これは単に三色ラメ幹之というだけではないのである。
じっくりと見て頂きたい。
背面の黒い色合いと朱赤の色合いの上にラメの輝きが発色しているのである。
ラメが黒色、朱赤色の上に出るというのはほぼ不可能に近いか?と思われていたのだが、この個体はしっかりと乗っているのである。
繁殖主任でもある博請さんも「諦めていたところがあったんですけど、この個体で可能性を感じました!」と言われたが、こういった個体をしっかりと見つけておられる観察眼がすごいのである。昨年、初めてお会いした博請さんであるが、今年は顔つきが違う印象を受けた。
この一年だけでも様々な交配を実践され、自信も深まったのかなと思った。
『静楽庵』さんは、まずはラメをしっかりと背面に入れることに集中され、それが達成された今、「次の段階」と当初から計画されていたようで、これからは柄を入れていく交配を積極的に行われるそうである。
交配を進める実験棟では、稚魚たちが浮上してきていた。この稚魚たちが育つ三ヶ月後、また一歩進んだ『静楽庵』ラメを楽しめそうである。