MDS
それまでのメダカには見られなかった背に青く輝く部位を持つ特徴で、注目を集めた幹之メダカ。当初は「点光」と呼ばれるような小さな発光部位を背ビレ前方に持つ程度であったが、その後、選抜累代が進められたことで口先から尾の付け根まで、背部全体を輝かせる体外光の姿にまで進化している。ひとつのものを突き詰めることで、素晴らしい姿に仕上がる良い例である。
埼玉県の『めだか道楽』神田 博氏も、幹之メダカにこだわって独自の改良を進めた方である。その神田さんが作るのが“MDS”である。
“MDS”とは、“Medaka Douraku Special”の頭文字からきている呼称である。「背ビレが光体形で、尾ビレが普通形」という、いわゆる新体型と呼ばれる個体を元にされた。当時は幹之の体外光を伸ばすことが多くのブリーダーも目標であったが、神田さんは当初から体外光よりもヒレの輝きに注目されており、各ヒレが青白く輝く姿に仕上げられている。もちろん、体外光も口先までしっかりと乗っている。あまり重要視されていなかったそうだが、ヒレ光を追求しているうちに自然と伸びていったそうだ。
“MDSヒカリ”は光体形になる。光体形品種は脊椎骨の曲がりがでやすいのだが、そこはしっかりとこだわり選別をされることで、ヒレ光の美しい姿に仕上げられていた。
これでも十分に魅力的なのだが、神田さんはまだまだ満足されず、さらなる改良も進められている。
“MDS”に“天晴”を交配し、さらに“青蝶(ヒレ長ロングフィンGS)”を交配して作出されたのが“MDSヒカリの舞”である。ヒレ長とロングフィンの形質により、ヒレが櫛状にたなびく優美な姿になる。
さらには、“MDSヒカリの舞”のリアルロングフィン化もいち早く進められていた。進化は現在進行形である。