惹かれた品種 “琥珀”
広島県『めだかの館』が作出、2004年に発表された古くから知られる品種である。
尾ビレや背ビレのオレンジ色がかった色合いに頭部周辺の褐色味が最大の魅力である。体色自体は野生メダカの色合いに近いが、全体的に淡い黄褐色が乗り、それが琥珀色に見えるのが呼称の由来になる。野生メダカの黄色変異型がヒメダカであるが、それと同様に琥珀メダカも楊貴妃メダカとは普通体色と黄色変異型の関係になっている。
近年の紅白や三色など色味の強い品種に比べると、その色合いは地味と判断されてしまうのか、あまり注目度の高い品種とは言えない状況ではあるが、発情したオスでは、腹部のキールも赤みを帯び、体色も濃くなり、十分にその姿を楽しむことができる。野生メダカのようなシャープな体形も好みである。
色揚げの人工飼料を補助的に与えることで、よりヒレの色合いを強調することもできるので、日光に当てると共に餌やりも気を使うことで、より美しい姿に仕上げることができる。ただ、古い品種であるためか、最近ではしっかりとした本品種を入手しづらくなっているのが残念である。丈夫で殖えやすい品種であるが、それに任せてただ繁殖させていると、体色が淡くなってしまうことも多い。
累代繁殖させる際には、しっかりと本品種らしい特徴の個体を種親にするよう気を使うべきである。薄い個体しかいない場合は、先の普通体色と黄色変異の関係である楊貴妃メダカを交配することで、琥珀の体色をよくすることも可能なので、しっかりと維持してきたい品種である。