令和シリーズ “RP-3”
2020年5月、岡山県の『静楽庵』からリリースされた“令和シリーズ”と冠されたメダカ。まず最初にリリースされたのは“令和黒ラメ幹之”である。
これは『静楽庵』が新たな遺伝子として発見された“RP-3”を持ったメダカである。その特徴は、朱赤色に染まる尾ヒレにある。その発見は2017年に遡る。累代されていた“クリアブラウン”の光体形の中から見つけられた色抜けした数匹から始まった。それを累代していると、頭部が黒く、体が色抜けする特徴が見られたことから、当時は“黒頂系”と呼ばれていたそうだ。さらに累代すると、赤体色で部分的に色抜けしブチのような柄を形成し、ヒレに色が乗る傾向が確認できたそうで、この特徴を“第三の遺伝子RP-3”と名付けられた。
こちらは2019年4月撮影個体
普段は上見での撮影が中心なのだが、「これは横見をみてほしい」と出していただいた個体であった。水槽に入れると、各ヒレが朱色に染まっているのがよくわかり?かされた。当時はまだ、「新たな柄を作る第三の遺伝子」を持つメダカとして見せていただいた。
その年の秋には、黒ラメ幹之の尾ビレが朱に染まった姿になっていた。
黒体色の品種で尾ビレが赤の姿は、強烈に印象に残った。
そして、2020年の秋には各ヒレが朱に染まった“令和三色ラメ幹之”へと進化した。
この“令和シリーズ”の特徴として、透明鱗性ではないが、部分的に色が抜けることで体の柄が形成され、非透明鱗性では出にくかったヒレの色が透明鱗性のメダカ以上に朱色が乗りやすく、ラメや体外光も乗るのである。その後『静楽庵』ではこの遺伝子を持ったメダカが次々とリリースされ、累代したり、この特徴を移行するための異品種交配をしたりと、大きな注目を集めている。