出目メダカ
出目メダカと呼ばれる改良?メダカが知られている。
出目メダカが知られるようになったのは、2005年のこと、実に12年前にこのメダカが趣味の世界で知られるようになっていたのである。
出目メダカは、言ってしまえば「頭蓋骨の奇形」が発端である。普通のメダカより頭蓋骨の長さが短く、目が正常に収まるべきところが小さく、目が押し出されてしまっているものである。
琉金と出目金の関係は出目性が遺伝することは有名だが、単純に頭蓋骨の形状は正常で、目だけが突出している。そのため、目から口先の長さは琉金と出目金とも同じで、出目メダカのように口が歪曲していたり、吻端が極端に短い…などは見られない。
本当の意味での出目メダカは、ビッグアイと呼ばれている系統であろう。
楊貴妃体色ベースの出目メダカである。
目は左右に突出している。
琥珀透明鱗ベースの出目メダカである。グレイ出目とも呼ばれるが、この個体は体の後半部に色抜けしている部分があり、体色的には面白い。
白出目メダカ。パンダ体色の個体も知られており、出目メダカの基本体色の一つである。
琥珀透明鱗ベースの出目メダカ
楊貴妃体色のメス。産卵は普通に行われる。遺伝率は70%以上になるというデータが知られている。
接写リングを付けて、アップで撮影してみた。口先が短いので、目が左右に突出していることがはっきりと見える。
口が「∞」の形をしており、正常ではないが、エサを食べることは不自由なく出来る。この出目メダカから、「ひげ出目メダカ」という口下に皮弁が見られるものが知られていたが、これは「ひげ」ではなく、口下の下唇を支える部分が壊れて付いているだけで、何も珍しいものではなく、奇形の極まりのようなものである。
メダカの骨格の遺伝については、脊椎骨が連続して湾曲するwy遺伝子、だるまメダカ、半だるまメダカで知られる脊椎骨が短くなるfu遺伝子が知られている程度である、この出目メダカは遺伝するから、「新たな遺伝子だ!」とはならない。
結局、メダカは骨格が子孫に遺伝しやすく、頭部の形が悪かったり、脊椎骨がわずかに歪んでいるものさえ子孫に遺伝することは多くの人が経験しているはずである。
この出目メダカそのものを愛玩的に楽しむことはピンポンパールや熱帯魚で多く見られるバルーン品種など、個人の自由である。「可愛い」と感じる人もいるだろうし、「奇形だ!」と思う人もいるだろう。
ただし、この出目メダカを別品種と交配して新たな体色を作ろうとするならば、交配して出てきた普通目のように見える個体は、繁殖させている人が責任を持って淘汰すべきものである。
改良メダカの世界は「売れれば何でもOK」という風潮があるが、雑品種を売り続けていては、いつまでたってもしっかりとした分野にはならないのである。
改良品種で言えば、奇形が普通に高値で取引されている分野は残念ながら改良メダカの世界だけかもしれない。
「買って来たメダカを増やしていたら、出目メダカが出た!」と喜ぶ人もいるだろうが、その系統には頭蓋骨の奇形が出やすい形質が含まれていて、真っ当な顔つきをしたメダカを作ることは期待できないのである。
幸い、以前に比べて出目メダカの流通量が減って来ているのは、それだけ改良めだかの趣味者が出目メダカより魅力的な品種を優先させるようになっているからであろう。
自分はメダカの撮影をするために、妥協せずに奇形はちょっとでもあれば淘汰している。メダカは「顔が命」と思うところがあるからである。
改良メダカは「体形はそのままで体色で勝負する」錦鯉の世界と「様々な体形の変異と体色を楽しむ」金魚の世界があるのだが、その金魚の世界でも認知されている品種としては50品種以下である。
これから改良メダカの世界が歴史を重ねていく上で、より錦鯉の世界寄りになることを個人的には望みたい。
fmbさん
こんにちは出目メダカですかメダカの品種改良は凄い事になってますね😅今メダカが一番熱いですね👍
【藤蘭】