雲州めだかの“雲州三色”の素晴らしさ

5月3日から5月5日まで、今年の本格的な改良メダカ取材を開始した。

岡山まで新幹線で行き、そこでレンタカーを借りて、岡山→落合→美作(みまさか)→米子→出雲→美作→津山と移動、津山からはJRで津山→岡山→名古屋→浜松と移動した。

総撮影カット数は1400カット以上、充実した取材旅行となった!

今回のメインの目的の一つが、先日、ヤフオクでも多くのメダカ愛好家の注目を集めたことでも知られる、島根県出雲市にある『雲州めだか』さんの取材であった。

こちらが『雲州めだか』さんのメインの飼育設備である。

『雲州めだか』の野尻さんは、島根県の地金魚として知られる出雲ナンキンの愛好家として35年ほど出雲ナンキンを飼って来られた方で、出雲を中心とした出雲ナンキンの愛好会、出雲ナンキン愛好会の初代会長でおられた方である。
15年ほど前には出雲ナンキン愛好会の品評会に出向き、野尻さんの優等魚の撮影をしていたことがあった。

その野尻さんが作られた非透明鱗三色が、今年に入って多くのメダカ愛好家に注目されている“雲州三色”である。

この見事な白地、そして明瞭な黒斑、そして朱赤色、これが“雲州三色”の魅力なのである。

元々、出雲ナンキンを飼われていた野尻さん、池の大きさは坪池より一回り大きな2×2mの池である。

その池を“雲州三色”が見事な群泳を見せていたのである。

野尻さんの池で世代を重ねた“雲州三色”であるが、メダカ愛好家なら誰でも知っているように、三色という品種は最も難しい品種の一つである。良い親を雌雄揃えたからといって、子孫が素晴らしい魚になるとは限らないからである。

その三色をここまでまとめられた野尻さん、その選別眼と容赦ない淘汰(良くないものは全てハネる)、そして野尻さんの遊び心がここまで美しい非透明鱗三色をまとめられたのであろう。

野尻さんのメダカ飼育歴は10年ほど、「最初は琥珀とか白とか青とか普通の品種を友人が持ってきてくれて飼い始めた」のがきっかけだそうだ。

それから「誰もが綺麗だというメダカには何が必要なのか?」とメダカを眺めながら思われたそうで、錦鯉の世界で長く親しまれてきている紅白、昭和三色、大正三色という三大人気品種を参考に、「三色、紅白というメダカはずっと親しまれる品種だろう」と思われ、三色が飼育品種に加わったそうである。

それから野尻さんの「白地の美しさと市松模様を理想とする黒斑、そして頭、そして背ビレ付近に入る朱赤色」に注目されて、妥協のない種親の選定をされたのである。これは野尻さんの長年の出雲ナンキン飼育から培われた、「不要な魚はどんどんハネ流」、「納得できる個体だけを種親にする」ことが徹底され、“雲州三色”がまとまってきたのである。

現在、“雲州三色”は種親(Sランク)、Aランク、Bランク、Cランクに分けられているのだが、BランクとCランクは全てハネるそうである。販売することも一切ないそうだ。「何故、飼育されているのか?」を伺うと、「変化を見ている」だけだそうで、「BランクからAランクに上がる魚っているんですか?」と尋ねると、「一切ランクアップはしない」そうである。Aランクから種親候補になる魚も一切いないそうで、野尻さんの拘りがあって、“雲州三色”の美が維持されているのである。

そして、メダカが良くなることならなんでもされ、ブラインシュリンプを給餌されることもあるし、ミジンコもしっかり与えられるのである。人工飼料もメダカの健康を考えたものを使われておられる。

どんなメダカでも淘汰せずにオークションに出したり、餌に拘らず、安価なものを選ぼうとする風潮もあったりするメダカ界であったりするのだが、野尻さんは出雲ナンキンという難しい金魚を作って来られた方法をごく普通にメダカ作りにも取り入れられたのである。「そんなに変わったことは一切してませんけどね」と言われる野尻さん、それが魚を飼育するということなのだが、メダカの場合はエアーレーションなしでもメダカが酸欠に強いという強健性に頼った飼育が一般化してしまっている中、野尻さんの作られた“雲州三色”は、メダカに対する姿勢を変えるきっかけになるかもしれないとも感じた。

飼育する魚に対して、どれだけ飼育者が飼う努力をするか?ここが大切なのである。

それはこのフルに体外光が乗った見事な幹之メダカでも容易に感じとれるのである。

この群泳、凄いと思いません?

こちらは“雲州三色”の産卵用の容器、中央に円形に浮いているのが、エアーホースとエアーストーンを固定する野尻さんの拘りである。

こちらの飼育設備には様々な品種が飼育されているのだが、“雲州三色”は一切入れられていない。

この4個体の“雲州三色”は一番上の個体が種親候補で、下の二匹は白地に興味があったので、わざわざ掬っていただいて撮影させてもらった個体である。「“雲州三色”から派生する別タイプに?」と個人的には思ってしまったのだが、野尻さんにはそう魅力があるメダカには映っていないようであった(汗)

「まだまだ“雲州三色”に自信はないですよ」と野尻さん、「三色は次世代でどう変化するかわからないところがあるんで、自信がないからこそ日々、一生懸命に努力していくだけです」と言われる。

“雲州三色”で素晴らしい個体が出る確率が0.1%と言われたことがあるのだが、表現の出現率が0.1%ではなく、野尻さんが種親にしようという魚は1000匹に1匹ぐらいという意味で、見たところ、メダカ愛好家を満足させる表現で言えば、20%はいたように感じられた。

https://ameblo.jp/ganso1234/

こちらは野尻さんのブログ、“雲州三色”、雲州めだかに興味を持たれた方は是非、野尻さん本人の言葉を楽しんでいただきたい。

しかし、本当に見ていてため息しか出ない取材であった。

野尻さん、ありがとうございました。

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