行田淡水魚へメダカ撮影! 2
さて、昨日、注目していたのだが、今年、自分が追究していこうと思っているのが、二色、三色、非透明鱗三色である。
非常に人気の高い品種たちであるが、ブリーダー泣かせというか、なかなかまとまらない品種である。
「まとめる」ということは不可能な品種で、どれだけ表現をまとめられるか?は、種親の選定に掛かっていると言えるのである。
その各品種の特徴をどう掴んでいくか?がテーマである。
誰もが経験的に知っているのが、「雌雄の表現が良いからといって、良い子が多数採れるわけではない」ことであろう。
多くのブリーダーネームが付けられており、オークションなどでも出品者別にブリーダーネームが違うほどである。
やっては遠回りになるのが、「別々のブリーダーの三色を混ぜて採る」ことである。子供が採れない訳ではないが、見た目に三色に見えても、実はその表現が違うもの同士を混ぜても、良い個体を作るには遠回りになってしまうのである。
昨日、訪問させて頂いた『行田淡水魚』の小暮さん、ずっと累代繁殖を続けている品種に、琥珀透明鱗がいる。
ずっと小暮さんが小暮さんの血統で続けているもので、多くの個体写真を掲載しておこう。
これが全て小暮さんの琥珀透明鱗である。
琥珀透明鱗は若い時期には普通に琥珀体色の透明鱗の表現のものがほとんどなのであるが、このように、成長とともに白抜けする部分が出てくるのである。
そして、黒く見える部分はブチ遺伝子(B’)によるものというより、色抜けした部分に黒い色素が残った、あるいは太陽光によって黒い色素が強まった、ブチ遺伝子(B’)が透明鱗性によって色素が網目状に分離されたものがほとんどなのである。
これでパンダと呼ばれる透明鱗と琥珀や楊貴妃透明鱗が実は普通鱗と透明鱗が混ざった透明鱗であることが判るのである。
「方頬」などエラが透けて見える部分が不完全な個体の存在など、メダカ愛好家は経験的に知っているのだが、それは普通鱗と透明鱗が混ざった透明鱗が起こすことなのである。
金魚ではモザイク透明鱗という言葉があるが、多くの透明鱗と呼ばれるメダカはそのモザイク性の透明鱗の持ち主なのである。
以前は朱赤透明鱗、琥珀透明鱗と分けて認識されていたのだが、今では混同されてしまっているものが多い。
メダカで「純系」という言葉は違和感はあるのだが、小暮さんのこの琥珀透明鱗のように、一人のブリーダーが他品種を混ぜることなく累代繁殖させてきたメダカはとても大切なのである。
こういったメダカを持っていれば、一時的に表現が悪くなったとしても、その兄弟、姉妹魚で表現を呼び戻せるのである。
二色、三色、そして二色ブチ、より黒いブチを持った三色、人気の高い品種の品質向上は、メダカ愛好家がじっくりと自分の持っているメダカだけで様々な交配を続けていくことが何より大切なのである。