ペルー、コロンビアから来るオトシンを楽しむ!

 最近の南米からの輸入の傾向は、ブラジルが自然保護の政策を強めたことから、主な輸出先はペルー、コロンビアに集約されてきている。人気種であるオトシンクルスの仲間もこのペルー、コロンビアから輸入される種類がほとんどを占めるまでになってきている。実際にはこのペルー、コロンビアから輸入されるオトシンクルスに魅力的な種類が多く含まれていたりするのである。

 その代表格がボルケイノ・オトシンとバンパイヤ・オトシンである。今回、その2種類を状態良く購入することが出来、彼ら本来の魅力を堪能することができた。それを含めて、このペルー、コロンビアから輸入されてくるオトシンの魅力と楽しみ方、飼育の工夫点を述べていくことにした。

写真はボルケイノ・オトシン 体色の独特の赤褐色味が特徴的なペルーから輸入されてくるオトシンクルス。弱酸性の水質は嫌う面が強いので、川石などでのレイアウトが好ましい。飼育環境に慣れると強健な種類である。

 これまでのオトシンクルスの仲間の飼われ方は、消耗品的な部分が多かったように思われる。毎週のように多くのマクロスピルス、フアオラニィ、ヴェスティトゥスといった普通にオトシンクルスとして流通する種類が大量に輸入されているのであるが、水草が植えられた混泳水槽にいきなり放り込まれてしまうことからか、飼育者の水槽では意外に短命であったように思われる。また、オトシンクルスへの給餌というのもしっかりとされておらず、餌不足によって消耗してしまうオトシンクルスも多かったように思われる。しっかりと飼育しようと思えば、そう弱い種類ではないのであるが、あまりにもいつでも見られることから、「飼育しよう!」という意識が低かったのかもしれない。

写真はバンパイヤ・オトシン ペルーからごく稀に輸入されてくる種類で、ガラス面などに生える藻類を好んで食べる。非常に見た目に目立ち、美しい種類なのでもっと普及してもらいたいところもあるのだが、絶対数は少ない。

 オトシンクルスの仲間を飼育するために必要な器具類を紹介しておこう。水槽は、ガラス製水槽、アクリル水槽どちらでも構わない。ただしあまり小型での水槽飼育では水質変化が大きくなりやすく、輸入直後、導入直後のオトシンクルスの仲間には不向きな面がある。最初は45cm以上の水槽で落ち着かせるようにしたい。

 フィルターは、水質に敏感なオトシンクルスの仲間にとって、重要な器具である。使いやすく、かつ高性能なものを選ぶようにしたい。パワ-フィルタ-や上面式フィルター、水量に見合った外掛け式フィルターが適しており、静かさと高性能を兼ね備えた製品を選ばれるとよい。中に入れるろ材もなるべく効果的な良い製品を使うようにしたい。

 オトシンクルスの仲間の飼育に絶対必要なものとされるのが流木である。オトシンクルスの仲間は流木を好み、隠れ家にするだけでなく、かじって食べるとプレコ同様の考え方がされているのである。確かに流木に隠れる行動はよく見せるのだが、プレコの仲間ほど流木への依存度は高くない。逆にペルー、コロンビア産のオトシンクルスの仲間は、弱酸性の水質より中性から弱アルカリ性の水質を好む種類が多いので、流木を多数入れる必要はない。様々な形状のものから細長い形のものを上手に組み合わせるように選んでいけば良いだろう。

写真はピグミータイガーオトシン。ペルーから輸入されてくる小型種。飼育当初からプレコ用のタブレットフードを良く食べてくれる。

 日本で人気のあるオトシンクルスの仲間は、新鮮な水が流れる急流に棲んでいる種類が多い。そこは溶存酸素も豊富で、水温も周辺に比べると低い。そのために、オトシンクルスの仲間は水質悪化や酸欠に弱く、暑さにもあまり強くない。水槽内の水質が汚れてくると、オトシンクルスの仲間は病気にかかりやすくなる。しかも発病すると治しにくい病気である。飼育する水槽には複数のフィルタ-を使用し、強い水流で強制的に酸素を水に溶け込ませ、オトシンクルスの仲間が要求する酸素量を確保する必要がある。プオトシンクルスの仲間は、水流のダウンフォースの力を利用して流木やガラス面に張り付いているので、かなり強い水流があっても自在に泳ぐことができる。

写真はごく一般的なオトシンクルス・マクロスピルス。

 高水温は多くの熱帯魚が嫌うもので、オトシンクルスの仲間はコリドラスに比べると暑さに強い面がある。一般にオトシンクルスの仲間は、水温が上がると餌を食べなくなり、呼吸が速くなる。オトシンクルスの仲間を高水温から守るようにするには、風通しのよい場所に水槽を置き、通常以上のエアーレーションを施し、強めの水流を作ることである。水流を作る場合、水温を上げてしまう水中モーターの使用は避けたい。こまめな水換えも、水温の上昇を防ぐ方法のひとつである。

 オトシンクルスの仲間は溶存酸素量が豊富で、アンモニア、亜硝酸濃度が低い飼育水であれば、他の条件には幅広い順応性をもっている。弱酸性から弱アルカリ性まで、pH値で調子が左右されることは少ないので、そこにはあまり気を使う必要はない。水温は22~26℃が適しており、高水温は溶存酸素量を減らすので、なるべく避けるようにしておこう。

 日常の管理は、底砂内の汚れ、老廃物を積極的に除去する底床クリーナーを使用しての水換えが最も重要である。後に述べるが、オトシンクルスの仲間は水の汚れに起因する病気にかかりやすく、他の熱帯魚以上にアンモニアや亜硝酸に弱い面がある。そのため、ろ過がよく効いている水でも定期的な水換えでより条件のよい飼育水を保つようにしたい。水換え用には、水道水をウォーターコンディショナーで中和したものを直接使うことができ、毎週、全水量の1/3~1/2を目安に交換していくようにしたい。

 オトシンクルスの仲間の飼育には、餌にも気をつかいたい。藻類は彼らの好物だが、十分な藻類だけの確保は難しい。そのため、プレコ専用のタブレット・フ-ドや植物性のペレット、クロレラの錠剤、野菜類などを与えるようにしたい。専用のタブレット・フードは餌食いがよく、馴れれば喜んで食べてくれる餌である。植物性のペレットも比較的よく食べる餌であるが、バラけて水を汚しやすい面がある。

 また、オトシンクルスの仲間は完全な植物食性に思われているが、決してそんなことはなく、イトミミズ、アカムシはもちろん、ブラインシュリンプから大型肉食魚用のペレット、ディスカス・ハンバ-グもよく食べる種類がいる。本来藻類食性であるオトシンクルスの仲間の内臓は、植物質のものを効率よく吸収できるようになっているが、イトミミズなどは本当に良く食べ、太った個体を作りやすい面があることは覚えておいてもらいたい。元々は食べていない動物性の餌ばかりを与えると、消化不良になることも考えられる。「バランスのとれた給餌」を、オトシンクルスの仲間に関しても気を配りたい。

 オトシンクルスの仲間の病気は彼らを飼育する上で悩み多い部分といえる。オトシンクルスの仲間は、条件が悪いと簡単に病気になってしまう弱い魚であることを覚えておいていただきたい。白点病やミズカビ病など、普通の魚が罹る病気も多く、プレコ特有の病気も少なくない。
 白点病やミズカビ病などは、グリ-ンFやエルバ-ジュなどを規定量の1/3ほど入れるといった薬浴による治療が可能である。しかし、実際の治療は体が小さく体力的な部分との勝負になるので、毎日全体の3/5~4/5と多めの水換えが効果的である。これからは大切にオトシンクルスの仲間を飼育してもらいたい。

ゼブラオトシン いくつかの模様変異が知られるゼブラオトシンとしてペルーから輸入されてくる。導入時は新しめの水質が良い。

ヒソノートゥス属の一種。コロンビアから輸入される種類で、ジャネイレンシス

やや大型のパロトシンクルス。

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