らんちゅう飼育に挑む 1

らんちゅう飼育に挑む 1

第1回 今年かららんちゅうを本格的に飼ってみる

 昨年12月に刊行した『金魚伝承31号』、らんちゅう主体の詳報誌として、16年刊行を続けてこれたのである。昨年の『金魚伝承31号』は、実は販売部数が増えており、熱帯魚を始めとする観賞魚業界が厳しい状況の中、らんちゅうの飼育者は30代、40代を中心に増えているのである。

 初夏から盛夏の研究会、秋の品評会など、らんちゅう愛好会の行事は、今の時代でも多くの人に受け入れられ、新たに、らんちゅうを飼おうという人を毎年、作っているのである。

写真は岡山錦鱗会の品評会で審査だらいに上がった当歳魚たち。この品評会を目指しての約7ヶ月の金魚作りはやり甲斐があり、もっと多くの方々に楽しんでもらいたい分野である。

 本ホームページでも、もっとらんちゅうを身近なものに感じてもらうために、らんちゅうの楽しみ方を連載形式で紹介することにした。

 らんちゅうの産卵期は、桜の花が咲く時期から5月頃までが一般的である。現在ではビニールハウスや保温器具を使い、2月頃から仔引き(こびき)をする愛好者も少なくないが、無理せずにらんちゅうを楽しみながら、「いずれは品評会への出品を目指す」ことを踏まえて、らんちゅう飼育の入門的な内容で、話しを進めていこうと思う。

「らんちゅうって難しいんですよね?」と良く聞くが、飼育そのものは金魚を飼うことで、日常管理さえしっかりとしていけば、飼育そのものに難しさはない。何をもって難しいと言うか?はらんちゅうの善し悪しを見分けること、品評会に向けて魚を大きくすることなのであるが、今年かららんちゅうを楽しもうというなら、最初から品評会を目指すというように背伸びすることなく、まずは「無事に大きく育てる」ことに集中してもらいたいのである。どんな魚を飼育するにしても、やはり経験というものは大切で、2017年の一年間を入門の時期と見て、ひとつひとつのことを学んでいってもらいたのである。

写真はトーワケミカル社のFRPらんちゅう池をずらりと並べた本格的ならんちゅう飼育環境。理想的な飼育環境だと言えるが、らんちゅう飼育の第一歩は、こういったFRPやジャンボプラ舟などを2面設置することから始められると良いだろう。高尾昌幸氏宅。

◇飼育容器
 まずはらんちゅうを飼うための飼育容器であるが、セメントなどを練るための練り舟と呼ばれる容器やジャンボプラ舟と呼ばれるものから、コンクリートで作ったたたき池まで、らんちゅうは様々な飼育容器で楽しまれているのだが、今、最も普及してきているものがFRP製のらんちゅう池である。断熱材を入れた高級FRP池から手軽なFRP池まで様々なサイズがあるので、それらを自宅で置けるスペースに合わせて選ばれると良い。出来れば最初から2面のFRP池やジャンボプラ舟を購入し設置すること
が、後々、らんちゅう飼育が容易になる。予算的には1~2万円程度から10万円ほどで飼育容器は用意できる。らんちゅう飼育は熱帯魚のようにフィルターは重要ではなく、エアーポンプによるエアーレーションと適度な水換えによって、らんちゅうに適した水質の維持を計るもので、その部分にかかる出費は、らんちゅうを飼育する容器にかけられるのである。まずは、まだ寒い時期が続くこの時に、らんちゅうを飼育する容器をどこに置くか?どういった池を購入するか?を考え、3月頃までに準備を整えられると良いだろう。

 らんちゅう飼育の最も大切な部分は、水質管理と餌やりで、もしらんちゅうを殺してしまったとすると、水質管理の不適切を起因することがほとんどである。なるべく大きく育てようとすれば、それだけ多くの餌を与える必要があり、餌を与えれば、それだけ水換えによる水質改善も必要となる。普通にらんちゅうを飼育することだけなら難しい部分はないのだが、品評会という競い合いを目標とするなら、個々のペースでの餌やり、水換えだけでは、それ以上に頑張って世話をしている人には敵わないのである。このページでは、らんちゅうを愛好するというだけではなく、あくまでも品評会に出品できる魚を作っていくことを前提に話しを進めていくつもりなので、らんちゅうを多少は無理をして飼育する覚悟は必要となる。その日常管理を頑張ってこなしていく先に、品評会を楽しみ、入賞する喜びがあることを目標としてみたいという方への指標となる方法を紹介していくことにしよう。

写真はトーワケミカル社のFRPらんちゅう池でのらんちゅう飼育風景。松本好孝氏宅。

写真はFRPらんちゅう池でのらんちゅう飼育風景。津島洋介氏宅

写真は品評会に出品された当歳魚の群泳。この中に大切に育てた愛魚を出品することを目標に、今年かららんちゅうを本格的に飼育されてはいかがだろう?

らんちゅう飼育の四季1

一、二月
 まだまだ寒さが続くこの時期は、らんちゅうを飼育する池の水換えをすることもなく、水温が10℃を切っている中ではらんちゅうも餌を追うこともなく、たとえ食べたとしても消化することができない時期で、冬眠している状態である。こういった冬眠期には、らんちゅうたちを出来るだけそっとしておくようにすることが大切である。北側に池を設置している場合などは、筵や葦簀などで池を覆うようにして寒さを少しでも和らげることも大切である。
 ただ気温の下がりが緩み、風のない穏やかな日には、池の覆いをとって陽の光に当ててやるようにすることも大切である。「魚をいじり過ぎないこと」それを第一に考えるのがこの時期の世話となる。

三月
 三月に入ると、気温は低いのだが、俄然、外の雰囲気は春めいてくる。ウメの花も咲くようになり、水温も一、二月に比べると上昇する日が多くもなってくる。それでもまだ朝夕は冷え込むことも少なくないので、冷え込みが来るようであれば、まだ夕方には池の覆いをかけることは忘れないようにしたい。
 池のらんちゅうたちも陽が長くなったことを感じ始め、餌を欲しがって泳ぐようにもなる。らんちゅうの世界では、この頃から「金魚を起こす」と表現するように、約三ヶ月間の冬越しから魚たちが目覚める時期を月末には迎え始める。しかしながら、ほぼ三ヶ月間、水換えをせずに冬眠させていた飼育水は、汚れてはいないが、急激な餌やりを許すほどの状態ではない。水温はまだ15℃を超えることはない時期であるが、水温が15℃を超える頃には、らんちゅうたちとともに、水中で眠っていた病原菌も活動を始める可能性が出てくる。

 三月の末を目処にして、一度、水換えをするようにしたい。この時期の水換えは、全量の水換えはまだ夜の冷え込みの影響を受けやすいので、新しい水を50%ほどにして、古い水を50%混ぜる昔ながらの水換え方法が最も魚に優しい方法である。水換えする日は、天気予報をよく見て、翌日の気温が下がり過ぎない日を選ぶようにして、餌やりも人工飼料より水を傷める影響の少ない冷凍アカムシを少量与える程度にして、本格的な飼育を始める四月を待つようにしたい。

ホーロー製の洗面器に入れて観賞すると、らんちゅうは一際美しく見えるものだ

(※ 続く)

らんちゅう飼育に挑む 1” に対して 2 件のコメントがあります

  1. 藤蘭 より:

    fmbさん

    こんにちは😃らんちゅう飼育を楽しむを拝読しました。品評会までの道のりを楽しみにしております。

    【藤蘭】

  2. fmb より:

    藤蘭さん、こんにちは!
    観賞魚全般の人気が低調な中、このらんちゅうと改良メダカは飼育者を増やしている大切な分野です!
    今年かららんちゅうを飼おう!っていう人向けにやっていくつもりです!

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