フラワートーマン
オセレイト・スネークヘッドはフラワートーマンの名が知られる美しいスネークヘッドである。
全長40cmほどになるが、スネークヘッド全体から見れば中型くらいだろう。なんといっ
ても最大の特徴は体側に並ぶ赤く縁取られる眼状斑模様で、青緑がかった体色と相まって、その美しさはスネークヘッドの中でも特筆される存在だろう。今でこそ様々な美しいスネークヘッドが輸入されているが、本種は古くから親しまれているスネークヘッドの古株と言える。
流通の中心は4~8cm程度の幼魚である。
小さいサイズでは本種の特徴である鮮やかな体色はまだ見られず、眼状斑も黒いシミ状に見える程度で、体側には細い破線状の縦条が数本入っている。成長に伴い縦条は消えていき、代わりに眼状斑は大きくなっていく。その成長過程を見るのも楽しいものである。
ただし、幼魚ほどデリケートな面が強い。やはり残念なことだが、しっかりと餌をもらっていなかったり、管理不足な個体が販売されていることも少なくない。汚れの少ない弱酸性の軟水を好むので、水質が悪化すると体表面が白い粘膜に覆われる。対処が遅れると重症化して手遅れになることも多いので、こうした症状が見られたら早急にろ過槽のチェックや水換えなどの対処をする必要がある。小さなスレ傷から水生菌にも冒されやすいので、注意したい。
白点病にもかかりやすく、幼魚の育成期間は水温30℃程度とやや高温にした方がよいだろう。
スネークヘッドの中でも比較的温和な性格をしており、大型水槽であれば同種の複数飼育も比較的容易にできる。
愛好家の元で育て上げられたフラワートーマン。
飼い込むことで体高も出て、迫力ある姿に成長していた。
幼魚の育成には少々気を使うが、10cmを超えるようになれば見違えるように丈夫になる。そうなると特徴的な美しさも見せるようになり、飼い込むことの醍醐味を感じさせてくれるスネークヘッドだと言える。