飼ったことありますか?Section1 ショップに泳ぐ本当は魅力的な熱帯魚
先日、ブラックファントム・テトラ、レッドファントム・テトラの話しをしたが、ショップでは販売されているのに、あまり気にも留められずにいる熱帯魚って意外に多い。
熱帯魚ショップの悪いところと言ってしまえばそれまでだが、「安いから魅力がない」ということはないのである。要は入手して、飼育し始めて、じっくりと飼い込んで、その魅力を楽しむことは観賞魚飼育の基本中の基本なのである。
そう言った魚を機会がある毎に紹介していこうと思う。
その1回目は、ネオンドワーフレインボー Melanotaenia praecox である。
大きくなっても6cmほどの小型のメラノタエニア属の一種で、日本に初めてドイツから輸入された当初は非常に高価で、マニア垂涎の的であった。
その後、インドネシアで養殖されるようになり、コンスタントに輸入される始め、価格も安価になった魚種である。安価になると言っても程があるほど安く売られていることもあり、やはり熱帯魚を選ぶ時にはそれなりの希少性を求める部分もあるためか、最近はネオンドワーフレインボーが注目されることはほとんどなくなってしまったと言っていい。
「では、このネオンドワーフレインボーをしっかり飼ったことがあるか?」というとそういう人はかなり少なかったりする。
購入して、数ヶ月、しっかりと日常管理をして、良質な餌を与えていくとこのようにメタリックなスカイブルーの鱗辺を輝かせ、ヒレの赤さは強調され、見事な姿を楽しめるのである。
体高が低く、体側の青さが弱い個体がメスである。
このメスが一匹でも混ざっていれば、ネオンドワーフレインボーは更に楽しめるのである。
手前のメスは腹部が卵でふっくらと膨らんでいる。このような状態になれば、メダカ同様、ほぼ毎日、産卵するようになる。
メスをめぐって争うネオンドワーフレインボーの姿、それはしっかり飼育した人だけが楽しめる光景なのである。
日本のタナゴにも似た体形、鮮やかな色合い、そして何より飼いやすいこと、ネオンドワーフレインボーは欠点のない「これぞ熱帯魚!」なのである。
性質も他魚を襲うようなことはなく、混泳水槽でも楽しめる魚だが、是非、45cm水槽でネオンドワーフレインボーを10匹ほど群泳させてみていただきたい。
そこから色々な経験が出来、熱帯魚に対する興味が深まっていくはずである。
ショップさんにも、ネオンドワーフレインボーを50匹以上は水槽に入れ、この鱗辺の輝きをお客さんに見せてもらいたいと思う。
「熱帯魚業界が下火だ」と言われているのだが、それは、一種類、一種類の熱帯魚の素晴らしさを伝えきれていないからなのではないだろうか?
ネオンドワーフレインボーは誰にでも「わぁ!綺麗!」と思われる魅力を持った魚なのである。